日本のシステム開発はご存知の通りゼネコン構造となっていて、

大手SIerがクライアントから一括で受託をしてそれを下請けに流す、
そしてその下請けがさらに下請けに流す、
そしてさらにその下請けが・・・

というような形で、大規模なシステム開発の場合は6次請負、7次請負まであるらしいです。


この構造を打開しようと、中小IT企業が頑張ってもなかなか難しいです。それはおそらく以下の理由があると思います。


クライアントが大手SIerにしか頼みたくない

クライアント担当者やその上司はもし開発プロジェクトが失敗した場合は社内で何らかの責任を取らされるでしょう。
その際、中小IT企業に委託していた場合、格好の攻撃される材料になるのではないかと思います。

「大手SIerに委託しておけばよかったのに、なぜあんな会社を選定したんだ!」と。

そういうリスクを回避するために、なるべく安全な会社を選ぶとなるとやはり大手SIerが選ばれるでしょう。


そもそも提案内容が大手SIerのほうがよいケースが多い

やはり実績があり、優秀な人の数が総じて多い大手SIerからの提案内容はいいです。業務全体を俯瞰してアプリケーション、インフラ、運用までを考えた提案をしてくれます。これが一括受託か、と納得の内容です。お高いけど。

逆に中小企業からの提案はソフトウェアの開発のみでハードウェアは対象外とか、運用は別途とか、限定的な部分だけ提案されることが多いです。自分たちがやったことのある領域しか提案できない、というのは仕方ないことだとは思います。安いんですけどね。でもそれじゃあ選定できないんですよね。


中小企業が受けられない

これは前述の話とかぶりますが、自分たちのやったことがある範囲での提案になるので、サーバー構築ができなかったり、システム運用に対応できなかったりすると受けられないです。やはりクライアントはまとめてお任せできる、というところに大きな価値を感じてくれているので。



結局のところ、中小企業が直接クライアントから仕事をもらうには大手SIerがあまり受けたくない小さな仕事をとるということかなと思います。

しかしながらそうまでして直接クライアントと取引することに意味があるのかは疑問です。

ゼネコン構造に疑問を持つ下請け企業も少なからずいると思いますが、実は大手SIerの下請けで仕事をする、というのは賢い選択なのかもしれません。